デジタル遺品の整理ー生前にやるべき準備ー|一般社団法人 星月
2026/03/12
こんにちは。
岐阜県美濃加茂市で終活のお手伝いをしております、
一般社団法人星月(せいげつ)です。
前回のブログで、『デジタル遺産』について紹介したと思います。
今回は、生前に準備すべきデジタル遺品の整理について紹介していきます。
生前に準備すべきデジタル遺品整理の方法
①アカウント・サービスの棚卸し
まず大切なのは自分が何を使っているのか、把握することです。
日常的に使うものは頭に入っていても、数年前に登録して放置しているサービスを忘れていることはよくあります。
具体的な方法
- 〇メールボックスを検索し、「新規登録完了」「アカウント作成」などのメールを探す
- 〇クレジットカード明細から定期課金されているサービスを確認
- 〇スマートフォンのアプリ一覧を見直す
- 〇ブラウザの保存済みパスワードを確認(ChromeやSafariの設定で確認可能)
- 〇通帳や口座履歴から金銭取引が発生しているアカウントを検出
これが丁寧にできるかどうかで、親族の後処理の負担が大きく変わります。
60〜70代の多くの方が「こんなに使っていたのか」と驚かれますが、この発見こそが準備の第一歩です。
②パスワード・ログイン情報の記録と管理
棚卸しの次は、パスワード管理です。
これが最も実務的かつ重要です。
推奨されるパスワード管理方法
- 〇パスワード管理ツール(LastPass、1Password)の活用:複数人でアクセス可能な設定が可能。
- 最も安全で効率的
- 〇エンディングノート専用ページ:紙のエンディングノートにデジタル情報欄を設ける
- 〇暗号化されたデジタルファイル:Excel等で作成し、パスワード保護したうえで信頼できる家族と共有
- 〇銀行の遺産相続サービス:一部の銀行が「デジタル遺産管理」サービスを提供開始
ここで重要なのは「すべてのパスワードを記録する必要はない」という点です。
故人の訃報後、Googleやアップルなどの大手企業には「故人のアカウント管理ポリシー」があり、正当な相続人であることを証明すれば、多くのサービスで削除やダウンロードに応じてくれます。
優先順位をつけるなら・・・
1.金銭管理(銀行・証券・クレジットカード)
2.通信契約(スマホ・光回線)
3.生活に関連するサービス(Amazon等) の順で対応しましょう。
③生前削除と残すものに選別する
デジタル遺品には「整理すべきもの」「遺すべきもの」「削除すべきもの」の3つのカテゴリーがあります。
単に「業者に任せる」「全削除する」のではなく、「自分らしい最期」という観点から、意図的に選別することが、本来の終活の姿勢です。
生前に削除してもよいもの
- 〇プライベートな通信履歴やメッセージ(SNS、メール)
- 〇恥ずかしいと感じるサイト履歴やブラウザキャッシュ
- 〇不要になった会員登録やアプリ
- 〇故人の容貌に関する個人的な写真・動画
家族に遺すべきもの:
- 〇子どもや孫の写真・思い出の動画
- 〇人生の記録(ブログ、日記、SNS投稿)
- 〇家族へのメッセージや手紙(デジタル形式)
- 〇重要な契約書や証明書の画像
この選別プロセスは、実は自分の人生を見つめ直し、家族に何を遺したいのかを明確にするという、終活の最も深い営みです。「整理」という実務的な作業が、同時に「自分らしく生きた証を整える」という精神的な営為になります。
④エンディングノートへのデジタル情報記録
最後に重要なのが、エンディングノートへの記録です。
単にパスワードを書くのではなく、「誰がどのアカウントを誰に処理してほしいのか」という意思を明記することが大切です。
記載すべき項目
- 〇各アカウントのメールアドレス(ユーザーID)
- 〇パスワード(安全な方法での管理との連携)
- 〇削除希望か、保存希望か、相続人への譲渡希望か等の処理方針
- 〇各サービスのカスタマーサポート連絡先
- 〇データダウンロードの指示(Googleの「Takeout」機能など)
- 〇SNSやブログの今後について(追悼アカウント化、削除、保存の希望)
市販のエンディングノートにもデジタル遺品欄が増えてきていますが、市販品では足りない部分は、別紙を作成して補完することをお勧めします。
デジタル遺品整理で親族が直面する困難
デジタル遺品整理で相続人が困ることは、次の3つです。
・アカウントへのアクセスができない:パスワードが分からず、重要な書類やデータが取り出せない
・どのサービスを契約していたか分からない:定期課金が継続したままになり、余分な費用が発生する
・SNSやメールの対応に困る:故人名義のアカウントが放置されたままになり、スパム利用されることもある
実際、故人が契約していた月額のサービスに気づけず、相続手続き後何年も課金されていたということがあります。これは、単なる「知識不足」ではなく、準備不足が親族の経済的負担になるという現実です。
また、SNSに故人名義のアカウントが残されたままになっていて、スパム投稿や身元詐欺に利用されるリスクがあります。遺影や思い出の保存と同時に、セキュリティ対策としても、デジタル遺品の生前対策は必須です。
今回は、デジタル遺品の整理方法についてみてきました。
これらの準備は、決して重い決断ではありません。
むしろ、自分の人生を整理し、家族への思いを確認し、「自分らしく生きた証」を守るものです。
これから先の人生に向けて、今デジタル遺品に向き合うことは親族へのプレゼントにもなるのではないでしょうか?
「そのうちやろう」と先延ばしにせず、今できることから始めてみてください(^^♪
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